個体の老化に伴う遺伝的変化とエピジェネティックな変化の比較
Project/Area Number |
06833001
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
老化(加齢)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 哲也 東北大学, 医学部, 教授 (00107509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池畑 広伸 東北大学, 医学部, 助手 (90250737)
小村 潤一郎 東北大学, 医学部, 助手 (10215410)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 体細胞突然変異 / トランスジェニックマウス / DNAメチル化 / 老化 |
Research Abstract |
個体の老化の原因として遺伝子突然変異とDNAメチル化の変化がどれ程重要であるかについてトランスジェニックマウス(Muta^<TM>)を用い検討した。このマウスでの突然変異検出にはDNAをラムダファージの中にパッケージする必要があるが、このために原報よりも新たに報告された方法を採用することが有効であることを見出した。この方法を用い脾臓での突然変異頻度を測定すると加令と共にほぼ直線的に増加し、その増加率は年当り約100%であることが分かった。データがまだ不十分であるが肝と脳でも同じような傾向がみられる。この値はヒトで観察されている年当りの突然変異増加率1〜5%の20〜100倍に相当し、マウスとヒトの老化速度の違いにほぼ匹敵するものであり体細胞突然変異が老化に重要であることが示唆された。他方、DNAメチル化についてはこのマウスでの解析が間に合わなかったが、すでにいくつかの遺伝子で老化に伴い変化すること、しかもその変化率はマウスではヒトより約20倍高いことが分かっており、こちらも重要であると考えられる。ただし突然変異は10^<-5>の頻度の現象であるのに対し、メチル化の変化は数10%の細胞で見出される。従って突然変異は老化に伴う癌細胞の発生に、またメチル化の変化は組織の老化に伴う諸機能の低下に関与しているのではないかと推測される。なお、DNAメチル化の変化は遺伝子の発現調節部位だけでなく、遺伝子内部であってもその遺伝子の発現調節に関与し得ることも明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)