Project/Area Number |
06839021
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
海洋生物学
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
三浦 知之 鹿児島大学, 水産学部, 講師 (10199953)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 熱水噴出 / 化学合成 / 深海 / 火山ガス / 底生生物 / 多毛類 / ハオリムシ / 潜水調査船 |
Research Abstract |
鹿児島湾の水深80-100mで発見された深海化学合成生態系生物群集は世界的に注目されている。これまで非常に貧栄養な深海特有の生物群集として、化学合成細菌を基幹とした生態系の成立が考えられてきていたが、鹿児島湾での発見はこのような認識を覆すものであった。本研究ではこのような鹿児島湾の生物群集における構成生物の分類・生態に関する基礎的な知見を集積することができた。以下にその概要を示す。 横須賀にある海洋科学技術センター所属の潜水調査船等を用いた湾奥部の調査が1994年10月25日から27日の3日間実施され、底生生物が採集され、映像資料が入手できた。この潜水船調査に先立ち、研究調査の打ち合せを行い、既存標本を借用することができた。また、11月21日、22日の両日には鹿児島大学水産学部練習船南星丸により、新たに作成した特殊ドレッジで底生生物の採集を試みた。これらの調査の結果、少なくともハオリムシ1新種、多毛類の3新種、二枚貝1新種をはじめとする数多くの底生生物が確認された。成果の印刷公表には時間がかかるが、分類と生態に関しては1995年7月に中国青島で開催される国際多毛類研究者会議で発表する。 本研究で新たに採集された材料からはハオリムシの幼生は得られず、初期生活史の解明は進展しなかった。一方、生態観察では、束状の精子放出がわかったことなどから、体内受精する可能性も大きく、また、人工受精ができないことなどから、生殖の季節性は新たな研究テーマとなった。 野外での生息状況については、過去の曵航体やROV調査や1994年の有人潜水船の映像記録を整理編集した(ビデオレコーダ等を購入)。生息密度・分布状態・水深・周辺環境などを分析したところ、本海域のハオリムシ群集が世界でも類のない高密度な群集を形成することが判明した。 以上、本研究だけでは十分に解明できなかった点もあるが、生物層に関する成果は多く、得られた成果に関しては順次印刷公表するつもりである。
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