Project/Area Number |
06851032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学(含社会福祉関係)
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Research Institution | Nagano University |
Principal Investigator |
土田 俊幸 長野大学, 産業社会部, 講師 (10236903)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 労働過程 / 生産システム / 技術的イノベーション / 構想と実行 / 職場の自律性 / 大企業病 |
Research Abstract |
1.企業調査等から、次の知見が得られた。すなわち生産システムについて、M.Kenny&R.Floridaのいうフジツ-イズムは、(1)技術的イノベーションを考えだす子会社の設立、(2)生産現場と技術開発との密接な結びつき、等の特徴を指摘するが、(1)の点では、調査対象のE社は子会社の合併により、巨大企業のNEC等に対抗している。すなわち先端産業では、液晶パネルや半導体製造・開発のために100億円単位の資本投資を必要とするが、企業規模で劣るE社は合併と経営資源の集中を進めていること。また(2)の点では、E社は、「現場に発想の原点がある」という「現場主義」により、かつてクオ-ツ時計や液晶テレビの世界初の開発に成功したが、近年、子会社合併により“大企業病"の兆候が生じつつあった。それに対してE社は社内にパソコンによる情報ネットワークを構築し、また生産現場と技術開発とを密接に再結合する組織革新により大企業病の克服に努めていること。 2.従業員調査から(現在分析中であるが)H.Bravemanの所論に対して生産過程の自動化段階での「構想と実行」の“部分的再統合"があり、そこでの「責任ある自律性」(A,Friedman)は、企業の“先進的"な経営理念との関連で把握れるきこと。すなわちE社は「全世界のそれぞれの地域において信頼される『良い会社』であり続ける」との経営理論のもと、円高下でも「諏訪の地元の下請を見放すようなことはできないし、しない」(E社社長)とし、またフロンガス全廃に他社に先駆けて取り組んだり、労働条件面でもリハビリ休職制度等をいち早く設けるなど、“先進的"な経営を行ってきた。それが職場での労働形態や“自律性"にも影響を与えていること。 3.そのため調査の実施過程で、当初の研究計画に加えて、自治体など関係機関や諏訪地方の他企業や下請企業の調査および過去の企業・労組に関する資料収集を行い、そのなかでの調査対象企業の特徴の把握に努めた。
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