Project/Area Number |
06854011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 晃史 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (10211848)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1994: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 自己組織化 / 臨界現象 / 相転移 / 場の理論 / 代数操作 / 相関関数 / 開放系 / 可積分構造 |
Research Abstract |
自己組織化臨界現象(self-organized criticality)は近年になって注目を集めつつある分野であり、「臨界点は不安定」という従来の統計物理の常識を覆す著しい性質を備えている。本研究は、従来の計算機シミュレーションに基づく現象論的理解に代わって、可解格子模型等で開発された台数的手法を「自己組織化臨界現象」に応用することを目的とし、具体的にはasymmetric exclusion modelという多数の粒子が一次元のchain(格子点)の上を、互いに排他的に、一方向に向かって動くstochasticな系を調べた。 場の理論では、時間と空間を対等に扱うのが自然である。このモデルでも、本来の空間一次元、時間なしの系であるところを空間0次元、時間1次元の量子力学系として考察すればよいのではないかと考えた。そこで粒子がいる状態への射影子Fと、いない状態への射影子Eとを用意し、FE=F+Eという非自明な代数関係を置くことによって、定常状態でのあらゆる相関関数は、代数的操作で厳密に求められることが分かった。さらに、入口・出口での境界条件(粒子流速度)のわずかな変化が、中心付近の粒子のdensityやcurrentなどの変化を引き起こすこと、すなわち相転移の現象が確かに見られることがわかった。 現在、affine型の量子群の構造が、自己組織化の研究でも有効でないかと研究を進めている。例えば、XXZモデルの反強磁性相では、規約表現空間と物理的な状態空間の対応を通じて、一般の相関関係が計算できる。系のパラメータqを複素数に取ることは、表現論的には何の問題もないが、Hamiltonianがエルミートでない「開放系」に対応し、このような系でもある種の可積分構造があることを示唆しており、今後も研究を進めてゆきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
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