光照射時の葉緑体からミトコンドリアへの電子移動の検証
Project/Area Number |
06854047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物生理
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
遠藤 剛 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (90201962)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 電子伝達 / 光化学系II / ステートトランジション / クラミドモナス / NAD(P)H デヒドロゲナーゼ / クロロレスピレーション |
Research Abstract |
1.呼吸促進による光合成の制御:ミトコンドリア呼吸と葉緑体光合成との相互作用の存在を証明するため、呼吸活性を促進する刺激を与えた際の光合成電子伝達への影響をクラミドモナスを用いて解析した。細胞を通常培養温度より10℃高い温度下のおくことで呼吸活性(酸素吸収速度)が1.6倍に促進された。これにともない、光化学系IIの量子収率が低下することが蛍光測定から明らかになった。またこの過程には二相性があり、初期の反応はチラコイド膜のΔph形成に依存した光化学系IIのdown regulationであり、それに続いてstate 2 transitionによる光化学系IIの実効アンテナサイズの減少が起こることが推定された。また、ミトコンドリアの呼吸活性の促進と同時にチラコイド膜のプラストキノンが光照射に依存せず還元されることも明らかになった。同様な現象が、呼吸基質として酢酸を細胞に添加し、呼吸活性をほぼ4倍に高めた際にも観察された。以上のことから、ミトコンドリアの呼吸活性の上昇が、葉緑体チラコイド膜のプラストキノンの還元の原因となり、結果として光化学系IIの量子収率の低下をまねくものと推定される。 2.呼吸電子伝達阻害剤の効果:ミトコンドリアの呼吸電子伝達鎖の阻害剤、ロテノン、アモバルビタール、TTFA、アンチマイシン、オリゴマイシン、SHAM、アジドは、すべて、光化学系IIの量子収率を低下させた。これを1.の結果とあわせて推定されることは、ミトコンドリアで過剰が還元力(NADH)が、呼吸活性の促進や電子伝達の阻害によって生じた場合、これが葉緑体に運ばれプラストキノンを還元することである。
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Report
(1 results)
Research Products
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