遷臨界域流体のクラスタ構造に関する分子動力学的研究
Project/Area Number |
06855026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小原 拓 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (40211833)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 分子動力学 / 相・状態変化 / クラスタ / 水 / 水素結合 / 二酸化炭素 |
Research Abstract |
流体の相・状態変化を分子クラスタなどの微視的構造から解析するため、以下の研究を行った。 1 典型的な極性分子であり、工業的にも重要な水を対象に、気液共存域、圧縮液、臨界点近傍、超臨界域を含む広範な温度・密度領域について、分子動力学計算を行った。とくに水中に形成される水素結合ネットワークの挙動とその温度・密度依存性に焦点をしぼって解析を行い、高密度領域で凝集している水分子群の一部分として水素結合のネットワークが存在すること、高温あるいは圧縮液の領域では水素結合が破壊され、ネットワークが細分化される現象などを明らかにした。 2 水分子の内部自由度は、通常の水の分子動力学解析では無視されて凍結状態にあるが、比較的高い密度領域では、一定の影響を与えるものと考えられる。これに関して詳細を明らかにするため、内部自由度を考慮した分子間ポテンシャルモデルを用いた水の分子動力学計算を開始した。 3 無極性分子である二酸化炭素を対象に、分子動力学計算を行った。広範な温度・密度領域に対する計算結果から、まず計算対象の分子系の気液飽和線や臨界点を決定し、これに基づいて解析結果を検討した。分子間距離で定義したダイマのネットワークとして定義されるクラスタは、分子の凝集・離散状態を表すが、このクラスタのサイズの温度・密度依存性は、水と同様の傾向を示した。これは、距離定義によるクラスタの平衡状態での挙動がマクロな相及び状態とほぼ対応し、この関係が分子の極性などの性質によらないことを示しているものと考えられるが、非平衡の相・状態変化とクラスタの動的挙動との関係について、さらに研究を進める必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)