Project/Area Number |
06855100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機工業化学
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
村上 泰 信州大学, 繊維学部, 講師 (90219907)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ルテニウム酸化物 / 層状化合物 / 層間修飾 / イオン交換 |
Research Abstract |
(1)試料の調整 市販の塩化ルテニウムを水に溶解し、アンモニア水を加えて沈殿させた後、乾燥、600℃焼成を行い、酸化ルテニウムを合成した。水酸化カリウムと酸化ルテニウムを3:1で混合し、600℃で溶融反応させる。冷却した後、過剰の水酸化カリウムを水で洗浄し、乾燥して試料を合成した。 (2)試料の評価 試料は、SEM観察の結果、板状であることがわかった。粉末X線回折により、試料の結晶相は、K_2Ti_2O_5と類似していた。したがって、Ru-O四面体で形成される層の間にカリウムイオンが存在する層状構造であると考えられる。元素分析の結果、洗浄前は、K:Ruが1:1であるが、水による洗浄によって、半分のカリウムが溶出し1:2となることが明らかになった。TG-DATの結果も合わせて考えると、洗浄後の試料はKHR_<u2>O_5 H_2Oという層間距離7.0Aの新規な層状化合物であると考えられる。 (3)試料のイオン交換 試料を塩酸水溶液中で処理すると、層間のカリウムイオンは消失し、層間距離は7.8Aに増大した。したがって、層間のカリウムイオンとプロトンと交換したと考えられる。プロトン交換した試料を塩化カリウム水溶液中で処理すると、K:Ruが1:4となり、層間距離が7.3Aに減少した。さらに、水酸化カリウム水溶液中で処理すると、K:Ruが1:2、層間距離が7.0Aとイオン交換前の試料と同じ結果が得られた。層間のカリウムイオンはプロトンと可逆に交換し、層間距離を変化させることが明らかになった。
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