遷移金属多核ポリアルキニル錯体を用いる特異的有機合成反応の開発
Project/Area Number |
06855104
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松坂 裕之 東京大学, 工学部, 助手 (50221586)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 複核ルテニウム錯体 / 架橋チオラート / アルキン / 複核メタラサイクル / 複核アレニリデン錯体 / セレソ / テルル / プロパルギルアルコール |
Research Abstract |
本研究では、申請者らが最近見いだし、X線解析により構造の詳細を明らかにしている一連の複核ルテニウム-チオラート錯体上での各種末端アルキン類の活性化と反応性を詳細に検討し、二核サイトに特異的な炭素-炭素結合生成反応を見いだした。 カオチン性Ru(III)錯体[Cp^*Ru(μ_2-Cl)(μ_2-SPr^i)RuCp^*][OTf](Cp^*=η^5-C_5Me_<5'>OTf=OSO_2CF_3)上では、HC≡CR(R=Tol,Ph,cyclohexeny1)2分子のカップリング反応が室温で速やかに進行し、ルテニウム2原子を含む5員環メタラサイクル骨格を有する複核錯体が各々ほぼ定量的に得られた。本反応は、まず2分子のアルキンが隣接する各々のルテニウム原子上で一方はアルキニル基、他方はビニリデン基へと活性化された後、これら2つの有機基が二核サイト上でカップリングして進行するものと考えられ、単核サイト上ではみられなかった新しいタイプの炭素-炭素結合生成反応である。 中性Ru(II)錯体Cp^*Ru(μ_2-SPr^i)RuCp^*上では、ルテニウム-イオウ結合へアルキン2ないし3分子が形式的に挿入したと考えられる、上記と全く異なる構造を有する二核錯体が、アルキンの種類により各々選択的に得られた。反応条件を検討することにより、これらの変換反応の中間体をいくつか単離し、反応経路を明らかにした。 さらに、架橋原子としてセレソやテルルを有する新規に核錯体の合成にも成功しており、今後これらを反応場とする有機合成反応の開発を引き続き行っていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)