Project/Area Number |
06856017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
加藤 康夫 富山県立大学, 工学部, 助手 (20254237)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1994: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | β-Methylaspartase / Enzymatic synthesis / Facultative anaerobes / Screening |
Research Abstract |
自然界からβ-メチルアスパルターゼ活性を生産する微生物のスクリーニングを行なった。培地として、偏性嫌気性細菌における本酵素の誘導剤であるL-グルタミン酸を含み、適当量の酵母エキスを添加したものを用いた。微生物の分離源としては泥、堆肥、沼等の比較的酸素に乏しい環境の物を用い、上記培地にて嫌気的に集積培養を行なった。窒素雰囲気下で単菌化することにより通性嫌気性細菌のみを選択的に分離した。得られた各菌を培養して無細胞抽出液を調整し、β-メチルアスパルターゼ活性を測定した。その結果、活性株として腸内細菌群に属する4株を得、それらを菌学的諸性質より、Citrobacter sp.YG-0504、Morganella morganii YG-0601、Citrobacter amalonaticus YG-1002、Enterobacter sp.YG-1202株と同定した。各菌の本酵素活性産生に及ぼす培養条件及び培地組成を種々検討したところ、いずれの菌も、L-グルタミン酸または(2S,3S)-3-メチルアスパラギン酸の存在下、嫌気もしくは静置培養にて成育された時にのみ本酵素を強力に発現することを見いだした。メサコン酸、エチルフマル酸、クロロフマル酸といった各種のフマル酸誘導体を合成し、各活性株から調整した粗酵素液を用いてアンモニア付加反応を行ったところ、43^〜78g/L(収率38^〜69%)の(2S,3S)-3-メチルアスパラギン酸、(2S,3S)-3-エチルアスパラギン酸、および(2R,3S)-3-クロロアスパラギン酸を99%以上のジアステレオ及びエナンチオ選択性をもって合成することができた。 以上の様に独自のスクリーニングを行うことにより、初めてβ-メチルアスパルターゼの生産株が通性嫌気性細菌中にも分布していることを見いだし、これを各種の非天然型L-アスパラギン酸誘導体の高選択的合成に応用することができ、所期の目的を達成することができた。本研究を進めるにあたって、培地、試薬、ガラス器具等の各種の消耗品を購入するために、本補助金が大いに役立った。
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