Project/Area Number |
06856036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
和久井 信 麻布大学, 生物科学総合研究所, 助教授 (40201157)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 肉芽組織 / 血管新生 / 内皮細胞 / 周細胞 / 細胞質突起相互陥入 / プラスミノーゲンアクチベータ- / TGFβ / EGF |
Research Abstract |
腫瘍の血管新生は、多くの腫瘍の発育に欠くべからざる現象である。これら腫瘍の血管新生の理解には、血管の発芽から成熟に至るまでの血管新生様式を詳細に理解することが重要である。血管新生は常に血管内皮細胞、周細胞、平滑筋細胞が単位となって進行する現象である。血管新生機構における、これら異種細胞間の相互作用の解析は多くの研究者が勢力的に進めているが、多くはin Vitroの研究として行われている。血管内皮細胞と周細胞が直接接触する条件下で混合培養を行うと、血管内皮細胞の増殖が抑制されることが知られている。この作用がTGF-βのPlasminによる局所的活性化によることが示唆されている。しかし、これら異種細胞間の相互作用部はいまだ直接形態学的に証明されていない。これに対し、本研究者は、血管新生時の毛細血管内皮細胞と周細胞との間に細胞質突起相互陥入(Endothelium and Pericyte Cytoplasmic Interdigitation:CIDEP)を同定し、同構造が血管新生機構に於ける細胞間相互情報交換の場であり、細胞増殖因子の発現部であるという全く新しい仮説の基に多くの検討を行ってきた。このEPCIDに関し、以下の事が明かとなった。 血管内皮細胞と周細胞とのCIDEPは、特に有意に血管新生部に集中して分布する。CIDEPを構成する両細胞間に15-80nmの間隙があり、さらに同部の両細胞には多くの微細小胞が分布する。新生毛細血管内皮細胞は基底膜構成成分(Laminin,Fibronectin)を産生し、微細小胞を介して脈管外へ放出しているが、これらCIDEPに限局して、これら成分の放出分布が全く認められない。血管新生を誘導する細胞増殖因子の内、特に上皮細胞増殖因子(Epidermal Grwoth Factor:EGF)がこれらCIDEPに限局して分布することを三次元免疫電顕組織化学的に証明した。さらに上皮細胞増殖因子の受容体が、血管新生部のこれらCIDEPの周細胞側のみに発現することを証明した。このことは、Plasma EGFが血管内皮細胞の内腔側からEPCID部に移送された後、周細胞に伝達される事を示唆し示唆するものである。さらに、同部にPlasminogen Activatorが分布することを確認した。このことから、CIDEP部に於いてLatent TGF-βがPlasminによって活性TGF-βに変換され血管内皮細胞の増殖抑制を発現させ新生血管の成熟が進行することが示唆された。
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