血圧降下作用を持つペプチドアドレノメデュリンの受容体クローニングとその機能解析-電気生理学を用いた新しい機能性クローニング法によるアプローチ-
Project/Area Number |
06857010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
上園 保仁 産業医科大学, 医学部, 講師 (20213340)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 電気生理学 / アドレノメデュリン / 受容体 / Gプロテイン / クローニング / アフリカツメガエル / cAMP / システィックファイブロ-シス |
Research Abstract |
アドレノメデュリンは1993年に発見されたペプチドで、副腎髄質、血管壁、脳などに分布しており、cAMPの上昇を介する血管拡張作用により血圧を降下させる。このことからアドレノメデュリン並びにアドレノメデュリン模倣薬は、高血圧の治療薬としての応用が期待されている。薬物開発にはまず、その受容体の特性ならびに構造を分子レベルで明らかにすることが重要である。しかしながら受容体研究はまだ緒についたばかりで、蛋白精製やクローニングといった分子レベルの仕事はほとんど進んでいない。一般的に蛋白精製の行われていない受容体クローニングは、受容体刺激により起こる細胞反応を指標とする機能的性クローニング法が用いられてきた。例えば、5HT1c、エンドセリンなどの細胞内カルシウムを上昇させるタイプの受容体クローニングには、アフリカツメガエル卵母細胞の持つCa^<2+>-activatedClチャネルの電気生理学的応答を指標として行われてきた。その反面、アドレノメデュリンのようなcAMPを介する受容体には上記方法に匹敵するような方法は報告されていなかった。今回申請者は、cAMP依存性キナーゼによりその開閉が調節されているシスティックファイブロ-シスClチャンネルをセンサーとして用いて受容体刺激によって起こるcAMPレベルの変化を電気生理学的にアッセイし、アドレノメデュリン受容体を機能的にクローニングする可能性について検討した。まずラット各種臓器よりmRNAを抽出しアフリカツメガエル卵母細胞に発現させ、アドレノメデュリンによって電気信号が引き起こされる臓器を検討したところ、大脳及び大動脈血管平滑筋のmRNAを発現させた卵母細胞にアドレノメデュリンによるClカレントが検出された(これらの結果は、1994年北米神経科学会並びに第12回脳腸ホルモン学会にて発表済みである)。そこで今後は、これらのmRNAよりcDNAライブラリーを作製し、それらをスクリーニングすることにより、アドレノメデュリン受容体を機能的にクローニングしていく予定である。また、アドレノメデュリンの生体レベルでの血圧調節のメカニズムの解明、並びに模倣薬開発などに寄与するものとして、クローン化された受容体を用いた、分子レベルでの解析実験も行いたいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)