肺胞II型細胞からの肺サーファクタント分泌調節機構の解析
Project/Area Number |
06857013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
相馬 仁 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70226702)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 肺サーファクタント蛋白質 / Ca^<2+>結合蛋白質 / アネキシンIV / 肺胞II型細胞 / サーファクタント分泌 / リン脂質 |
Research Abstract |
肺サーファクタント蛋白質A(SP-A)は、肺胞II型細胞で合成・分泌される親水性のサーファクタント特異的蛋白質である。SP-AはCa^<2+>結合蛋白質で、C-端側に高親和性Ca^<2+>結合部位の存在することを、我々は既に明らかにしていた。この部位が細胞内での機能を持つ可能性を探ることを目的として本研究が遂行された。以下に研究実績を要約する。 1.ヒトSP-Aをセファロース4Bに共有結合したアフィニティカラムを用いて、Ca^<2+>依存的にSP-Aに結合する細胞質蛋白質の存在を、牛肺において検討した。その結果、SDS-PAGE上、32kDaのバンドを示す主要蛋白質がEGTAよってカラムから溶出された。部分アミノ酸配列分析から、この32kDa-蛋白質はアネキシンIVであることが判明した。また、肺胞II型細胞質中にもアネキシンIVの存在が確認された。 2.アネキシンIV、SP-A共にリン脂質結合蛋白質であるが、アネキシンIVとSP-AのCa^<2+>依存的結合は、蛋白質間の直接の相互作用に起因すると考えられた。 3.肺サーファクタントは、II型細胞からラメラ封入体を形成して分泌される。ラット肺より単離したラメラ封入体をセファロース4Bに共有結合したアフィニティカラムに、Ca^<2+>存在下に肺細胞質画分をアプライした。EGTAにより溶出を試みた結果、溶出画分にアネキシンIVが主要蛋白質として含まれていた。 4.単離したラメラ封入体に、アネキシンIVを加えたところ、Ca^<2+>依存的にラメラ封入体の凝集が惹起された。 以上のことから、細胞質蛋白質であるアネキシンIVが、Ca^<2+>のシグナルを受けて、ラメラ封入体中に存在するSP-Aを認識することにより、サーファクタントの分泌と何らかのかかわりを持つ可能性が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)