Research Abstract |
肺傷害と線維化におけるアポトーシスの意義を解明することを研究テーマとしている。臨床的研究として、特発性間質性肺炎や、サルコイドーシスのBAL中の細胞やTBLBの検体を対象として、アポトーシスの存在及び関与する因子(サイトカイン、FAS,BCL-2,ICE,INOS,p53,p21,Virusなど)について検討している。まだ検体数が十分ではないが、炎症細胞特に肺線維症における好中球や、サルコイドーシスにおけるリンパ球のアポトーシスは、病勢と関連性があるように思われ、現在アポトーシスに関与する因子について測定している。また、肺生検組織に対して、p53,p21及びアポトーシス染色を行った結果、肺線維症においては肺胞上皮細胞が特異的に染色され、線維化とDNAdamageとの興味ある結果が得られ、まもなく投稿する予定である。マウスを使用した実験では、線維化を生じないimmune complex alveolitisのモデルにおいて、好中球や、肺胞上皮がアポトーシスを生じることによって、線維化せず修復されることが明らかとなり、その過程で関与する因子について検討中である。線維化のモデルとしてbleomycin pneumonitisを作成し、アポトーシスとの関連性を検討したところ、早期にはアポトーシスを生じるものの、線維化が進んでいく課程においては持続するDNA傷害が生じていることが明らかとなり、アポトーシスに関与する因子も又それに一致して発現していた。これらのことから、アポトーシスは炎症の終息及び肺障害と関連性のあることがわかり、さらに研究を進めていく予定である。
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