Project/Area Number |
06857076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山口 芳裕 信州大学, 医学部・第二生理学教室, 助手 (10210379)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | MRSA / 循環ショック / 交感神経活動 / 自律神経 |
Research Abstract |
本研究は重症難治性感染症の起因菌として知られるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の敗血症性循環ショック状態を引き起こすメカニズムを解明する目的のもとに行った。ヒト血液由来の病原因子を有するMRSA株を用いて循環反応、自立神経系の反応を特に、申請者が従来より検討してきたグラム陰性菌である大腸菌の菌体成分のエンドトキシンによる循環ショック時の反応や出血性ショック時の反応と比較した。実験はペントバルビタール麻酔下の雑種成犬を用いて調節呼吸のもとI腎臓交換神経活動を体血圧、心博数とともに直接測定し、ヒト血液由来のMRSA15株を継代培養しいずれのMRSA株が循環ショックを誘発することができるかまたその反応の特徴はどのようなものか検討した。その結果3種類の株において血圧の低下反応が認められた。腎交感神経活動は血圧低下にともなって圧受容器反射が正常に作動する出血性ショックと異なり、体血圧が50mmHg以上低下しているにもかかわらず増加反応を示さず、かえって低下反応を示した。また、心拍数も腎交感神経活動と同様に低下した。このような成績はエンドトキシンショック時の自律神経反応と同様であり、正常の圧受容器反射が作動しないことが認められそのことが低血圧の発生に関与していることが示唆される結果を得た。この結果より、MRSAによる循環ショック時にはエンドトキシンによる循環不全と現象論的に同じ様な医療的な対処が必要であることを示す。また、MRSAといえども上述の循環系、自律神経系反応を発生させないMRSAも多くあり、ショックを誘発するMRSAの毒性成分の有無によって異なってくることを示唆する結果である。
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