Project/Area Number |
06857096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
小野 浩史 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (30260813)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 切断指 / 保存 / 氷温 / 体外循環 / 血管内皮細胞 / EDRF |
Research Abstract |
切断肢指の再接着可能時間の延長に有効な保存条件として、最近注目されている生鮮食品保存法である氷温技術を応用し、ラット保存切断肢の筋肉、皮膚などのより有効な保存条件の解明を試みた。本実験では再接着直後の血管機能を評価し保存条件の判定を試みた。すなわち、脱神経された移植組織の血流はおもに血管内皮細胞から分泌される血管平滑筋作動物質である endothelium-derived relaxing factor(EDRF)が調節していると考えられるので、組織移植を成功させるには血管内皮機能、その内でも特に血管拡張機能を温存することが重要である。そこで本研究では、ラット切断肢への新鮮血液による体外循環回路を用い、切断肢内のEDRF作用の有無により切断肢内の血管内皮細胞の血液調節機能評価を試みた。 適正血流量にてノルエピネフリンを投与すると切断肢灌流圧は196±43mmHgとなった。これにアセチルコリンを投与すると、灌流圧は117±53mmHgまで減少した。ノルエピネフリン投与により新鮮切断肢の上昇した灌流圧がアセチルコリン投与により56%に減少したという結果より、ラット後肢の末梢血管系にもEDRFが存在することが明かとなった。 保存条件による血管内皮機能の変化については、われわれの実験では、保存時間の延長とともにEDRFの血管拡張機能の低下がみられ、室温9時間保存ではEDRFの血管拡張機能は完全に消失した。これらより、阻血時間が延びると再還流時のEDRF拡張機能は消失することは明かである。一方、低温保存によるEDRFの血管拡張機能の変化については、4や-1で3時間保存するとEDRFの血管拡張機能が完全に消失した。この事実は、低温保存がEDRF機能の温存には不適当であることを表わしている。
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