房水流出抵抗を評価する実験システムの開発とその応用-特にエラスターゼの効果について-
Project/Area Number |
06857130
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
保谷 卓男 信州大学, 医学部付属病院, 講師 (00201757)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 定流量灌水 / 線維柱組織 / elastin / ブタ膵エラスターゼ-1 |
Research Abstract |
本研究の目的は、まず第一に、摘出豚眼の前眼部組織片を用いて、定流量灌流を行い、眼圧を経時的に測定可能な実験システムを開発する。第二に、そのシステムを用いて、elastin分解酵素であるブタ膵エラスターゼ-1(PPE-1)を摘出豚眼の前眼部組織片に灌流して眼圧を測定し、房水流出抵抗に及ぼす影響を検討する。 実験方法は、まず、摘出豚眼から前眼部組織片を作成した。その前眼部組織片を自作の灌流装置に設置し、“closed eye"を作成した。こうしてできた前眼部組織片の閉鎖腔には、2本のchannelが交通しており、一方から灌流液(BSS plus)を定流量灌流し、もう一方から眼圧を連続的にモニターする。このシステムをもちいて、BSS plusに希釈した各種濃度のPPE-1を灌流し、眼圧の経時的変化を検討した。灌流の終了した豚眼は、通常の電子顕微鏡および免疫組織化学的検索に供された。 結果は、BSS plus灌流眼は、steady stateな眼圧が2時間続いた。一方、PPE-1灌流眼は、眼圧は、steady stateの状態から徐々に下降し、その下降幅は濃度依存性を呈した。BSS plus灌流眼の線維柱組織は、elastic fiberは正常構造を呈しており、その中にelastinの存在が免疫組織化学的に認められたが、PPE-1灌流眼では、elastic fiberの分解とelastinの消失を認めた。 本実験システムは、房水流出抵抗を評価可能な実験システムであることが証明された。また、PPE-1は、線維柱組織内のelastinを分解し、房水流出抵抗を減少させることが明かとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
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