歯痛が口腔粘膜(口唇・舌・頬粘膜・歯肉)の血流に及ぼす影響
Project/Area Number |
06857146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庄司 憲明 東北大学, 歯学部・付属病院, 助手 (70250800)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 副交感神経性血管拡張反射 / 歯髄刺激 / 口腔粘膜血流 / レーザードプラー血流計 |
Research Abstract |
歯髄は感覚神経の豊富な組織で、痛みが強烈なことから臨床において歯髄の痛みを主訴として来院する患者は多い。近年、感覚神経は求心性に興奮を中枢に投射する第一義的な機能の他に、神経終末でサブスタンスPなどの神経伝達物質を放出することにより支配領域の血管拡張を引き起こすことが明らかにされている。しかしながら歯髄の痛みが口腔の他の組織にどのような影響を及ぼすかについてはこれまで明らかにされていない。そこで、今回は感覚神経の密度が高い歯髄を刺激することにより口唇、舌、頬粘膜、歯槽歯肉および口蓋歯肉などの口腔諸組織に及ぼす影響を血流を指標として検討した。その結果、 1.上顎犬歯の電気刺激により刺激側と同側の口蓋粘膜、上下顎歯肉、頬粘膜、舌、および下唇などの遠隔部の口腔粘膜に血管拡張反応が観察された。口蓋粘膜では刺激側と同側のみならず反対側においても血管拡張反応が得られた。 2.歯髄刺激によって生じる口腔粘膜の血管拡張反応は、自律神経節遮断剤であるヘキサメソニウムの静脈投与により投与前と比較して有意に抑制されたことから、その血管拡張反射に副交感神経が関与することが示唆された。 3.同一条件での歯髄刺激によって生じる血流増加量(%)は組織間で有意差がみられ、刺激と同側の口蓋粘膜および下唇では上下顎歯肉、頬粘膜および舌と比較して有意に大きな反応が得られた。 今後、この反射の遠心路として解剖学的に考えられる顔面および舌咽神経を延髄レベルで切断等することにより反射ルートについて詳細に検討したいと考えている。
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Report
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Research Products
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