Project/Area Number |
06857160
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
矯正・小児・社会系歯学
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
白川 哲夫 北海道大学, 歯学部・付属病院, 講師 (00187527)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 一酸化窒素 / Nitric Oxide / 歯根膜 / Nitric Oxide Synthase / 細胞培養 |
Research Abstract |
1.結果 ヒト菌根膜細胞の一酸化窒素(NO)産生能を調べるため、細胞培養系を用いて実験を行った。矯正治療を目的として抜去された永久歯から歯根膜組織を分離し、トリプシン処理したのち血清添加MEMを用いて細胞の培養を行った。培養開始から1カ月後に同様の条件で約10^4個/培養皿として7日間の培養を行い、培養液中に含まれるNO_2の量をグリース反応法により測定した。NO_2濃度は培養開示後12時間より上昇し、72-120時間後にほぼプラトーに達した。培養皿当たりのNO_2濃度の増加量は最高で8.5μM/24時間であった。NO_2の増加が一酸化窒素合成酵素(NOS)によるものかどうかを明らかにするため、NOSの競合的阻害剤であるL-N^G-Nitroarginine Methyl EsterHCI(L-NAME)1mMを培養液に加え、NO_2濃度を測定した。その結果、培養120時間までのNO_2産生量はL-NAMEにより約70%抑制された。今回の実験では3人の患者の抜去歯から分離した細胞を用いたが、同じ歯根膜組織から分離した培養細胞では培養皿間のNO_2濃度のばらつきは小さかったのに対し、異なる個体から得た培養細胞によるNO_2産生量を比較すると、最高で10倍近い差が認められた。 2.考察と展望 本研究の結果からヒト歯根膜由来の細胞にNO産生能があること、およびこのNOは歯根膜由来の細胞に発現したNOSにより産生された可能性が高いことが示唆された。この結果を裏付けるためには組織学的手法によるNOSの同定が必要であろう。また、歯根膜細胞に発現するNOSには内皮型(cNOS)とマクロファージ型(iNOS)の2つのタイプが考えられるが、今回はいずれのNOSによるものかを明らかにするには至らなかった。今後、無血清培地での細胞培養を確立し、iNOSの誘導因子を含まない(あるいは投与した)条件下でNO産生能を調べる予定である。
|