無配線バイオコンピューティングのための酵素スイッチ素子に関する研究
Project/Area Number |
06858031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
計算機科学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 孝文 東北大学, 大学院情報科学研究科, 助手 (80241529)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | バイオコンピュータ / 分子コンピュータ / バイオ情報処理 / 生体情報処理 / バイオ素子 / 分子素子 / 集合論理 |
Research Abstract |
本研究では,無配線コンピューティングのためのバイオ素子に関する基礎実験ならびに性能評価を行った. 1.無配線コンピューティングのためのバイオ素子の機能は、溶液中の特定の基質分子を検出する「選択機能」と,その結果に応じてある特定の酵素反応を活性化させ,新たな生成物分子を溶液中に放出する「出力機能」に分けられる.まず,選択機能に関しては,グルコース酸化酵素,ガラクトース酸化酵素,アルコール酸化酵素を種々の割合で複合固定化したセンサを試作し,これらが十分な選択性と安定性を保有することを明らかにした. 2.一方,出力機能の実現に関しては,酸化還元酵素と電極の間の電子伝達を電気的に制御することにより,等価的に生成物の発生を調節することが考えられる.当初,グルコースを情報担体とし,グルコースオキシターゼおよび白金電極の系を利用して,その濃度の制御を試みる予定であった.しかしながら,グルコースの濃度変化を観測するための受信系が,上記の制御電極の影響を強く受けることが判明した.このため上記の系の代わりにグルコースデヒドロゲナーゼおよびNADによる酵素反応系を用い,これをキノンをメディエータとして白金電極とカップルさせることにより反応制御を実現することを試みた.現在までに,電極電位に応じて酵素反応をONとOFFの2状態にスイッチさせ,グルコース濃度を段階的に変動させることに成功している.今後,本システムの制御性について実験的評価を行う必要があると考えられる. 3.酵素反応過程および拡散過程の両者について計算機シミュレーションを実施し,10μm程度に集積化されたバイオ素子の応答時間が100μsec程度であることを明らかにした.今後は,配線によらないコンピューティングがシステム全体に及ぼす効果を定量的に評価していく必要があると考えられる.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)