Research Abstract |
1.誤り追跡入力の生成部作成: 論理検証の結果,設計された論理回路が設計誤りを含むと判断された場合,不一致とされた入力を一致入力と組み合わせ,誤り追跡入力を生成するソフトウェアを開発した。二分決定グラフ表現を用いた論理関数の操作によって,不定値Dを複数含んだ誤り追跡入力を短時間で生成することが可能となった。 2.誤り候補箇所特定部作成: 生成された誤り追跡入力をもとに,ブール変数Xを出力に伝搬させるように修正可能な箇所の組合せを,可制御性の評価と,誤りの種類を特定しないシミュレーションにより,「誤り候補箇所」として特定するソフトウェアを開発した。不定値Dを含んだ誤り追跡入力を用いて限定効果を高める特定手法を開発した。 3.誤り追跡部作成: 特定された誤り候補箇所のそれぞれについて誤りの種類を対応させ,ブール変数Xが出力まで伝搬するか否かを判定することで,すべての誤り追跡入力についてXが出力まで伝搬する誤りの組合せを,設計誤りの候補として出力するソフトウェアを開発した。 4.自動修正部作成: 3.の結果得られた設計誤りの候補をもとに自動的にもとの回路を修正し,再度論理検証を行うことによって,最終的な設計誤りと,修正された回路を設計者に提示するソフトウェアを開発した。 5.システムの性能評価: 実験により,種々の回路に対する誤りの追跡・修正能力を評価した。その結果,不定値Dの導入によって,最終的な設計誤りの候補の数を半分程度に絞り込むことが可能になり,誤りの限定に高い効果があることを確認した。
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