Project/Area Number |
06858082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
安増 茂樹 上智大学, 理工学部, 助手 (00222357)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | メダカ / 孵化酵素 / 遺伝子発現 / 細胞分化 / In situハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
メダカ孵化酵素は、2種のプロテアーゼ(HCE LCE)による酵素系である。両酵素は、アミノ酸の一次構造が55%類似性があり、良く似たプロテアーゼであり両者共にアスタシンファミリーに属する。しかしながら、その遺伝子構造はまったく異なり、LCEは8つのエクソンを持つ単一コピー遺伝子であるが、HCEはエクソンを持たない多重遺伝子である。両遺伝子上流の塩基配列とその転写開始点を決定した。両遺伝子とも複数の転写開始点を持ち、その転写開始点の上流20-30bpのところにTATA boxがみられる。CG boxやCAATのコンセンサスシークエンスは見られない。また、HCE遺伝子間では上流域の塩基配列はよく保存されており、同様の発現調節制御をうけていると考えられる。一方、LCE遺伝子とHCE遺伝子の上流域を比較すると広範囲での塩基配列の類似性は見られない。しかしながら、両遺伝子は同期して孵化腺細胞で発現することから同様の調節機構により制御されていると考えられる。このことより、両遺伝子が共通のシス調節エレメントにより調節されていることが予想される。現在、両遺伝子の上流域とβガラクトシダーゼ遺伝子を用いてメダカ胚での遺伝子発現系を開発している。 in situハイブリダイゼーション法を用いて孵化酵素遺伝子の発現を調べた。最初の孵化酵素遺伝子の発現は、後期のう胚期に胚盤葉下層(ハイポブラスト)の先端部の細胞群で見られる。その後、ポルスターと呼ばれる頭頂部の細胞集団を形成した後、その細胞集団はバラバラとなり胚体後部へ移動し、鰓弓(ブランキラルアーチ)に沿って局在する。その後、顎の形成に伴って最終の局在場所である咽頭内に位置する。孵化酵素遺伝子が発生初期に発現すること、孵化腺細胞が胚体先端部で分化しその後、胚体後部へ移動することなど興味深い知見を得た。また、孵化腺細胞の起源が最初に陥入する細胞つまり形成体由来であることが示唆され、孵化腺細胞の分化が、初期形態形成のプログラムに組み込まれていることが予想された。
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