Project/Area Number |
06858083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nerve anatomy/Neuropathology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小山 文隆 東京大学, 医学部(医), 講師 (40194641)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ダウン症候群 / APP / タウ / alternative splicing / アルツハイマー病 / ApoE genotype / AD病変 |
Research Abstract |
ダウン症候群(DS)はβ-アミロイドの前駆体であるβ-amyloid protein precursor(APP)遺伝子がのっている第21番染色体が3つ(トリソミ-)あることで定義される。40才以降のDS患者のほとんどの脳にはアルツハイマー病(AD)に特徴的な二つの病理学的変化が認められる。そこで、DS脳を解析することで老人やAD脳で見いだせなかったような明確な遺伝子発現の変化を検出できる可能性が高い。昨年度の研究ではAPP、タウのmRNAレベルが有意に上昇していることを明らかにした。本年度の研究ではalternative splicingで生産されるAPP、タウのアイソフォーム間の発現制御について正常とDS脳で比較した。 APP-695と3-repeatタウ,APP-695とS型タウ、およびS型タウとthree-repeatタウ間の比例関係はそれぞれ正常、DS脳でも認められた。これに対し、APP-751と4-repeatタウ、APP-751とM型タウ、およびM型タウとfour-repeatタウ間の関係は正常脳では認められたが、DS脳では認められなかった。比例関係が崩壊しているAPP、タウのアイソフォームはいずれも胎児期には発現していないが、成人になると発現してくる分子である。以上の結果から、DS脳は、APPとタウのup-regulation以外にAPP-751とfour-repeatタウ、APP-751とM型タウ、およびfour-repeatタウとM型タウの相関性の破壊で特徴づけられることがわかった。 また本年度の研究開始時にApolipoprotein E(ApoE)のallele ε4がsporadic,early,およびlate-onset familial ADのrisk factorであることが報告されたことからApoE genotypeとAD病変形成およびAPP、タウ、ApoE遺伝子の発現との関係を老人脳において検討をした。その結果ApoE genotypeは老人脳でAD病変の形成と深く関連するがそれはAPP、tauおよびApoE遺伝子発現の変化によるものでないことを明らかにした。
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