Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究は,近年注目されているWDM(波長分割多重方式)を中心とした,オプティカル高速ネットワークについての研究である.WDMによる通信は,複数の波長の異なる光信号を1つの光ファイバで伝送し,波長ごとに異なるルーティングを行なうなどの技術によって,従来の光ファイバによる情報伝送量を飛躍的に高める技術として盛んに研究されているが,本研究ではWDM網の交換機として利用されるBanyan多段結合網の解析モデルを提案した所に主要な業績がある. 特に1つないし少数のクロストークを許す場合のブロッキング確率について研究を行った.以前の研究では,クロストークを許可しない通信のみを扱っていたが,実用上は少数ならばクロストークを許しても差し支えないばかりか,スイッチコストの大幅な低減が可能である. 光結合網では,光のスイッチングの際に波長ごとに100%完全に光をスイッチすることが困難であり,同じスイッチを通る他の波長(通信)と干渉する,クロストーク(漏話)という問題が発生する.特に多数の波長を同時に取り扱うWDM網では,このクロストークの影響が大きい.このため,Yu Chen博士は,クロストークを発生させない場合の,多層Banyan結合網のふるまいについて研究を行い,スイッチ内で複数の経路が衝突する確率であるブロッキング確率を求めたり,逆にブロッキング確率が与えられた場合の必要層数を求めたりしてきた. ところで実際の光スイッチでは,クロストークは発生するものの,わずかな光の交じりであれば後段の増幅器で波長ごとに分離できるため,ごくごく少数のクロストークが発生するのは実用上差し支えない.研究の結果,同じブロッキング確率であれば,クロストークを1回許すだけで,網の規模にもよるが,およそ2/3の層数でクロストークを許さない場合と同じ性能が得られることが分かった.
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