Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
in vivoで形成されるAmyloid β(Aβ)アミロイド線維は、in vitroで形成されるアミロイド線維とは異なり、放射状に伸長した形態を示す。生体内に於けるAβアミロイド線維形成には、糖質や脂質、共存蛋白質との相互作用が関連し、これらの因子との相互作用が線維の形態に影響を及ぼすと考えられる。我々は、これまでに、ポリマーにより修飾した石英基板を用いて、表面相互作用がAβ(1-40)アミロイド線維に与える影響について明らかにした。今年度の研究では、より生命体に近い条件である脂質二重膜を使い、膜構成成分が、Aβ(1-40)アミロイド線維伸長に与える影響について調べた。研究は、脂質二重膜を構築した石英基板上でのAβ(1-40)アミロイド線維を全反射蛍光顕微鏡と蛍光色素ThTで観察することにより行った。観察の結果、Aβ(1-40)線維伸長は、脂質の構成成分に大きく依存することが解った。年度の途中から、米国カリフォルニア工科大学に於いて、機能性アミロイド線維の機能部位を担うタンパク質OPA1の研究を進めている。OPA1は、ダイナミン様GTPaseタンパク質であり、ミトコンドリアの内膜融合を促進する。これまでに大腸菌を使った発現系を構築し、OPA1の大量発現に成功した。これらの発現したOPA1は、良好なGTPase活性を示した。また発現したOPA1は、塩濃度依存的に、他のダイナミン様GTPaseと同様に、凝集体を形成することを明らかにした。さらに電子顕微鏡観察から、それらの凝集体は細繊維状の形態を示すことが判った。これらの結果から、大腸菌を使った系でも、活性を持つOPA1の大量発現に成功したことが明かになった。来年度は、引き続き、OPA1の物性を研究すると共に、OPA1を機能部位とした機能性アミロイド線維の形成・伸長反応についての研究を始める予定である。
All 2007 2006 Other
All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Book (1 results)
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 104
Pages: 6412-6417
Biochemistry 46
Pages: 15009-15017
Journal of Biological Chemistry 281
Pages: 33677-33683
Methods in Enzymology 413
Pages: 91-102
Accounts of Chemical Research 39
Pages: 663-670
Journal of Bioscience and Bioengineering (掲載確定)