アオコ原因ラン藻Microcystisの有毒個体群に対する消滅因子の解明
Project/Area Number |
06J02067
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
吉田 光宏 Fukui Prefectural University, 生物資源学研究科, 特別研究員(PD) (60565555)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アオコ / ミクロシスチン / ラン藻 / シアノファージ |
Research Abstract |
アオコ原因ラン藻Microcystis aeruginosaの種内には、肝臓毒ミクロシスチンの産生株があり、問題になっている。本研究では、毒合成遺伝子を標的とする定量的PCR法を用いて、環境における本種の有毒個体群をモニタリングし、水質パラメーターの変動データとの摺り合わせに基づき有毒個体群の消滅因子を絞り込む。また、特定個体群の殺滅因子として作用するシアノファージが本種の個体群組成の変遷に影響を及ぼすか否かについても明らかにし、有毒アオコ防除法の開発を目指す。 本年度において、研究代表者は、福井県三方湖の湖水試料に対して定量PCRを用いて有毒個体群の動態を調査した結果、前年度の報告と向様、水中の硝酸濃度が高い時に全個体群に対する有毒個体群密度の割合が高くなるという現象を確認でき、水中の硝酸量が有毒個体群の消滅因子の1つであることが強く示された。さらに、現場試料についてリアルタイムPCR法を行うことにより、本種感染性ファージの消長を調べたところ、有毒個体群と無毒個体群の組成変動と関連付けられることが示され、本因子は有毒個体群の動態を制御する重要な因子であることを明らかにした。このように、本種は、環境中の硝酸やシアノファージ等の環境条件の変化に対して、個体群レベルで異なる生理・生態学的特性を有することが示唆される。さらに、本種の分離株の多相分類学的アプローチに基づき、本種内は多様な個体群から構成されることを示しており、このような多様性が環境中で異なる挙動を示す各個体群の増殖生理の多様性と関連付けられる可能性があることを示した。上記の研究内容については、国際誌J Appl Microbiol誌とAppl Environ Microbiol誌に受理され、掲載予定である。以上のように、研究代表者は、世界をリードする成果を見事に成し遂げた。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)