Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
1.岩石の粘弾性構成則とその逆問題 断層帯を含む地殻岩石の遷移挙動を記述するための粘弾性構成則は,時間のべき乗則に従う応答関数で定式化できる.これを用い,地表で観測される応力・歪データから地下(断層帯近傍など)のダイナミクスを調べるための逆問題について,計算機上での解析手法の構築を行なった.この研究の一部は,国際会議にて公表した. 2.ダメージを含む岩石の粘弾性構成則と地震に伴う力学的・電磁気学的緩和過程 上で導出された粘弾性構成則を拡張した,内部に脆性過程(クラックなどのダメージ発展)を伴う岩石の力学的挙動を記述する構成則を用いて,東北日本沈み込み帯における余効すべりの時系列パターンや,地震に先立つベニオフ電磁放射・岩石磁化変化のパターンを説明した.この研究成果の一部は国際誌(Nat.Hazards Earth Syst.Sci.)及び国際・国内会議にて公表し,また現在国内学会誌(地質学雑誌)に投稿・査読中である. 3.岩石の粘弾性構成則と地殻内流体の移流・拡散 岩石内部のダメージ発展(空隙率や空隙連結度の変化)に伴う岩石内流体の輸送特性(移流・拡散)の時間変化を,非平衡熱力学・統計力学(異常拡散理論)に基づいて記述した.さらにこの理論に基づいて1995年兵庫県南部地震に先行して発生した大気中ラドン濃度の増加や電離層擾乱が地殻のダメージ発展に起因することを説明した.また,英国エディンバラ大学のIan Main教授らのグループが行なった応力腐食に関する実験結果についても,上の理論に基づく考察を行なった.この研究成果の一部は国際誌(Nat.Hazards Earth Syst.Sci.)及び国際・国内会議にて公表し,現在国際誌(Phys.Chem.Earth)に投稿・査読中である.
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