Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
p97は小胞体関連分解や膜融合、タンパク質凝集抑制など様々な細胞機能に関与するAAAファミリータンパク質である。p97はN末端ドメインと2つのAAA型ATPaseドメイン(D1およびD2)から構成され、ホモ6量体のリング構造を形成する。D1はほとんどATPase活性を示さないため、D2でATPを加水分解して機能すると考えられているが、ドメイン間およびサブユニット間でどのように協同して働いているかは不明である。そこでp97の動作原理を明らかにするため、線虫由来p97ホモログCDC-48.1を題材に、p97のATP加水分解機構を調べた。D1のヌクレオチド結合能を欠損させるとD2のATPase活性は完全に消失した。またD1の触媒残基に変異(E311Q)を導入しATP加水分解能を消失させると、D2のATPase活性は野生型の20%程度だが、E311Qに加えさらにD1のセンサー1やアルギニンフィンガーへ変異を導入すると、D2のATPase活性は野生型の80%程度まで回復した。これらの結果から、D2のATPase活性はD1のヌクレオチド結合状態によって変化し、D1がADP結合型の時、D2が活性型になると考えられた。これはD1のATPase活性を促進させるとD2のATPase活性が減少するという結果とも一致した。また、D2のATPase活性はHill係数が1.6を示し、わずかなATPアナログを添加するとATPase活性が強く阻害されることから、サブユニット間においては正の協同性をもって働いていることが分かった。FtsHは膜結合型のプロテアーゼであり、不要タンパク質や細胞調節因子を分解またFtsHの基質分解のアンフォールディングと分解のメカニズムを明らかにするた、安定性を変化させた大腸菌およびAnabaena由来のflavodoxonを基質としてFtsHによる分解効率を調べた。その結果、基質の分解効率は基質の安定性と良い相関がみられ、FtsHの基質は基質構造の安定性に依存することが証明された。
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Genes Cells 13
Pages: 827-838
Biochemical Society Transactions 36
Pages: 67-71
Journal of structural Biology 156
Pages: 93-100
生物工学会誌 84
Pages: 404-406
http://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp/divisions/molecular_cell_biology/