Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
光の波長成分のうち青色光は,高等植物の光順化応答を誘導するシグナルとして作用する可能性が示唆されている.光順化応答とは,成育環境の光強度下で光エネルギを効率よく光合成や成長に利用するために植物が示す生理的・形態的応答を指す.本年度は,光化学系IIの光エネルギ分配の強光順化に焦点を絞り,青色光の及ぼす影響について検討した. 強光に順化した葉と弱光に順化した葉の光化学系IIにおける光エネルギ分配を強光照射下において比較すると,強光に順化した葉では光化学反応に使われるエネルギの割合が高く,熱として消費される割合が低いことが知られている.そこで,2種の光質(白色光および白色光から青色光成分を除去した光)と2段階の光強度(PPFD 100および500μmol m^<-2> s^<-1>)を組み合わせた計4つの照射光下においてホウレンソウを成育させて,飽和光下における光合成ガス交換とクロロフィル蛍光を同時測定した.そして,成育時の照射光中の青色光成分の有無が光化学系IIのエネルギ分配および光合成能力の強光順化に及ぼす影響を調べた.その結果,青色光は光化学系IIのエネルギ分配や光合成能力の強光順化応答に必須ではないものの,それらの順化応答の程度を増幅させる作用のあることがわかった(Matsuda, et. al.2008). また,前年度に行った,葉面の展開や葉への窒素投資,炭水化物集積量などの個体レベルでの光順化応答における青色光の作用についての研究成果を,国際会議において口頭発表した。
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