Project/Area Number |
06J54192
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村山 一茂 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 毛包幹細胞 / 前駆細胞 / Akt / 表皮 / 発毛 / 組織幹細胞 / 過形成 / 毛周期 |
Research Abstract |
PI3キナーゼ(PI3K)/Aktシグナルは、様々な増殖因子によって活性化され、細胞の増殖や生存を促進する。先行研究から、PI3K/Aktシグナルが、ES(胚性幹)細胞の未分化性を支持すること、始原生殖細胞からEG(胚性生殖)細胞の樹立を促進することがわかっている。しかし、組織幹細胞における、PI3K/Aktシグナルの影響についてはわかっていない。そこで本研究では、薬剤によりAktの酵素活性が可逆的に制御することが可能なトランスジェニックマウスを用いて、Aktシグナルが、組織幹細胞の1つである毛包幹細胞に与える影響を調べた。 皮膚には少なくとも2種類の組織幹細胞が存在する。1つは、表皮基底層に存在し、表皮の多層構造を維持する幹細胞。もう1つは、バルジに存在し、毛包形成に寄与する毛包幹細胞である。成体の毛包幹細胞が活性化すると、前駆細胞であるTA(Transit Amplifying)細胞を産生し、毛髪を新生する。毛周期が休止期にあるトランスジェニックマウスに薬剤を投与し、Aktを活性化させたところ発毛が誘導された。組織学的解析の結果、毛包が成長期の構造であること、上皮組織と毛包が過形成をしていた。また、α6-integrinとCD34をマーカーとしたFACS解析により、TA細胞画分の細胞割合は増加しているが、幹細胞画分の細胞割合に変化がないことがわかった。さらに、コロニー形成アッセイから、このTA細胞画分のholoclone形成能が上昇していることがわかった。 以上の結果から、上皮組織におけるAktシグナルの活性化は、毛包幹細胞を活性化することでTA細胞を産生し、毛周期を促進させることがわかった。また、表皮と毛幹に存在するTA細胞の増殖を促進し、表皮と毛包の過形成を引き起こすことがわかった。
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