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¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
1)化学発光分析装置が完成し,高速液体クロマトグラフィーと連結して選択的分離が行えるようになった。例えばアミノ酸を化学修飾後,この装置で分離定量することにより,従来法に比べて約100倍位検出感度が向上した。この方法を応用して考古遺物中の絹繊維の劣化状態等を研究中である。特に奈良県藤ノ木古墳からは各種の絹繊維が出土しているが発掘後,7,8年の年月が経過し,劣化も進行しているので顕微赤外,走査電顕等の結果と総合することにより詳細な成果が得られる。平成8年度の古文化財保存修復学会で発表後,すぐに投稿論文とする予定である。 2)顕微赤外分析に関しても,日本各地の遺跡から出土する銅鏡や鉄剣に付着する絹,麻類について研究し,外見が織物状に見えても実質的には有機物質は分解し,銅や鉄の酸化物となっていることを明らかにした。イギリスのビクトリア アンド アルバ-ト美術館で昨年開催された文化財に対する赤外分析(FT-IR)の研究集会で成果を発表し,目下論文として投稿中である。 3)日本各地の土壙墓,石棺内の遺体の置かれていた場所の土を採取し,脂質を検出後,特にコレステロール,コプラスタノールをGC-Massで検出する方法により遺体の性別推定の手がかりとなることを明らかにした。重点領域の計画班が実施した兵庫県七日市遺跡の場合は女性遺体と推定できた。成果は6月に日本文化財科学会で発表後,論文とする予定である。
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