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¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
本研究の研究目的は,1.土壌の磁気的性質変化,被熱痕跡の確定,2.そして磁気的性質の時間変化についてさらに検討し,3.また,磁気とは独立の情報として土壌中の石英粒子の格子欠陥に注目し,磁気的に被熱したと考えられる土壌で被熱としてよいかどうかを引き続き検討する.というものである. 以下の遺跡で試料採取,測定を行った.1.岡山県恩原遺跡BX22砂礫堆土壌.新潟県真人原遺跡,上車野E遺跡及び楢口遺跡,長野県貫ノ木遺跡及び上ノ原遺跡から採取した試料の帯磁率及び残留磁化の測定(目的1).2.兵庫県七日市遺跡旧石器遺構(シルト質土壌)面で,昨年行った焚き火実験の放置実験面での帯磁率測定(目的2),と被熱前後に採取した土壌のESR測定(目的3).3.ESR測定による被熱痕跡検出の可能性の検討(目的1,3).恩原遺跡R分化層での焚き火事件面から採取した試料の帯磁率,残留磁化及びESRの測定(目的1,3).4.恩原遺跡のO文化層36トレンチ北部から採取した土壌の帯磁率,残留磁化及びESRの測定(目的1,3).5.他の研究班の結果との比較及び検討. 結果は以下のように要約できる.1.恩原遺跡BX22砂礫堆土壌から帯磁率,残留磁化共に被熱痕跡と推定できる試料を発見したこと.2.ESR測定による被熱遺構探査のめどが立ったこと.3.1年程度の放置でも,磁気的信号(非被熱土壌との比較)は弱くなるが,検出可能であること.4.被熱による磁性鉱物の変化には,温度のみならず酸化還元状態が大きく関係すること.5.来年度以降,もともとの土壌の性質(シルト質か火山灰質か,含まれる磁性鉱物の種類の違い)と被熱による磁気的性質の変化の様子の関係を明確にし,ESR法さらには化学的(例えばESCA法)な方法と比較検討することが必要であること.
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