複素古典力学を用いた半古典経路積分法の化学反応への適用
Project/Area Number |
07208208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
足立 聡 東京工業大学, 理学部, 助手 (90211698)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1995: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | カオス / 量子カオス / 経路積分 / 半古典量子化 / 複素古典力学 / ストークス現象 |
Research Abstract |
この研究は、カオス的な量子動力学を、対応する古典動力学と重ね合わせの原理により如何に理解するかを、共線的な3分子反応をモデル系として、半古典経路積分を数値的に評価する方法により、研究するのである。 半古典経路積分を数値的に評価する際には、複素古典力学の全面的な使用が不回避であること、それに伴いStokes現象の正しい処理が必要であることが、筆者の昔の論文(S. Adachi : Ann. Phys. 195(1989)45-93) により示されている。 この昔の論文で研究された系は、時間に依存する1自由度系であったのに対して、今回の研究で取り上げられた系は、2自由自励系である。それゆえに、複素古典力学の位相空間は、複素4次元(実8次元)となり、半古典論的にプロパゲ-タを評価する際の古典力学の境界値問題において、多変数複素関数論的な数値現象が現れることに伴う、複素古典力学の構造を研究する際の大きな困難さが予想される。 実際に、複素古典力学の構造を数値的に調査したところ、その構造の複雑さは大変なものであることがわかってきた。現状では、その構造の本質が理解できているとは、残念ながら言い難い。とりあえず、量子力学の厳密な結果を再現するように、一方では、2変数複素関数のStokes現象のひとつの標準形を表現しているPearcy関数のStokes現象が詳しく調べられた。副産物として、激しい振動積分で定義されている、このような関数に対して、数値的最急降下法とでもよべる、安定した数値計算法が見いだされた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)