Project/Area Number |
07208213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
垣谷 俊昭 名古屋大学, 理学部, 教授 (90027350)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1995: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 電極反応 / 電極界面の構造 / 電子移動 / 非線形性 / イオンの層構造 / モンテカルロシミュレーション / 自由エネルギー曲線 / 鏡像力 |
Research Abstract |
不均一系における電子移動の代表例である電極界面での電子移動の機構をモンテカルロシミュレーションによって研究した。電極界面の電解質溶液の電気二重層の動的構造がどのようなものであり、電気二重層が電子移動反応にどのような影響を与えるかを調べ次の結果を得た。 電極界面でのイオンの分布は電圧がかかっているときとそうでないときで大きく異なった。電圧がかかっていないときは、正負イオンとも金属表面に多く吸着して第一層を作り、またその外側に接して、第二層を作った。電圧がかかっていると対イオンが強く電極表面に吸着し第一層を作り、それに接して第二層を作る。反対のイオンはこの第一層と第二層の間に位置し、正イオンと負イオンの相構造が交互に形成されることがわかった。 この電極界面を介して起こる反応体と電極の間の電子移動の機構は非線形性が非常に強いことが明らかになった。すなわち、始状態(反応体が中性状態)のエネルギーと終状態(反応体が荷電状態)のエネルギーの差を反応座標に選び、それに対して自由エネルギー曲線をシミュレーションのデータに基づいて求めた。その結果、始状態の自由エネルギー曲線は終状態のそれに比べて非常に広い幅を持った。極小点での曲率の比は約20になった。この非常に大きな非線形性は電圧のあるなしにかかわらず見られ、電極反応の一つの特徴であることが明らかになった。この2つの自由エネルギー曲線をもとにしてエネルギーギャップ則を求めると、反応体が中性状態から荷電状態に移る反応では非常に幅の広いものになり、逆に荷電状態から中性状態に移る反応では幅のせまいものになった。この反応の種類によってエネルギーギャップ則が大きく異なる性質を利用すれば電極反応の制御と効率化をはかることが可能となる。
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