Project/Area Number |
07208217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 秀樹 京都大学, 工学研究科, 助手 (80197459)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 水 / 過冷却 / アモルファス氷 |
Research Abstract |
水の分子動力学(MD)シミュレーションを温度.圧力一定の条件で行なった。ポテンシャル関数はTIP4Pとして、温度は、298,273,253,233,213,193Kで、圧力0.1MPaとした。分子数は216で最長10nsのMD計算を行った。得られたトラジェクトリーからポテンシャル極小(Q-)構造を求め、また振動解析を行った。調和項に相当するエネルギーを差し引いたポテンシャルエネルギー,極小構造でのポテンシャルの値,また密度の温度依存性を調べた。298Kから233Kでは、Q-構造でも温度の低下に伴い大きな減少があり、Stillingerによるポテンシャル曲面とstrong-fragileの区分の関係が正しいなら、明らかにこの温度領域ではfragileである。さらに、何れのエネルギーにも、213Kあたりで不連続が見られる。このときのQ-構造のエネルギーは、193Kと殆ど同じであり、この転移点と思われる213K以下では、水はstrong-liquidに分類される。これは、Water-IIの存在とその粘性に対する予測と一致する。また、この213K以下でのQ-構造のエネルギーは、立方晶氷のそれよりも1kJ/mol高いだけであり、実験の非晶質氷との差1.3kJ/molと一致する。これをもとして描いた相図はStanleyらの低密度-高密度アモルファス氷の相図と類似のものになるが、低密度と高密度の非晶質氷の臨界点の位置は異なり、負の圧力領域にあると想像される。大気圧下での水は、過冷却状態で温度の低下とともに、高密度相から低密度相へ転移を起こす。実際には結晶化によりこの転移は確認できないが、熱力学量の発散は高密度相のスピノ-ダル不安定化によるものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)