Project/Area Number |
07208227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Institute Fundamental Chemistry |
Principal Investigator |
田崎 秀一 財団法人基礎化学研究所, その他部局等, 研究員 (10260150)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1995: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 1 / f揺らぎ / Stretched Exponential型緩和 / フラクタル分布 / カオス力学系 / 決定論的拡散 |
Research Abstract |
本研究は、環境が非平衡状態にある場合の凝縮相反応について、その動的な側面を統一的に扱える理論の構築を最終的な目的とし、本年度は以下の研究を行なった。1)1/f型揺らぎを受ける系の反応ダイナミックス:昨年の研究により、準安定領域から粒子が逃散する系に1/f型のパワー・スペクトルを持つノイズが作用している場合、平均逃散率が白色ノイズの場合より数倍大きくかつ非定常的になることが見い出された。今年度は駆動ノイズのパワー・スペクトルと反応ダイナミックスの関係を定量的に調べるため詳細なシミュレーションを行った。非白色ノイズ源としては相沢らにより詳細に調べられた変形ベルヌ-イ写像を用い、散逸揺動定理を近似的に満たすため5倍の振幅を持つ白色ノイズを同時に作用させた。この結果、準安定領域に留まる確率が、短時間領域を除いて、Stretched Exponential型緩和P(t)=P_0exp(-(κt)^z)で良く記述できることが見い出された。緩和の速度を特徴付けるパラメータκはノイズのパワー・スペクトルが1/f^α型(α>0)になると急速に大きくなり最大白色ノイズの場合の3倍くらいになり、指数緩和からのずれを特徴付けるパラメータzはパワー・スペクトルが1/f型に近づくと1より小さくなり最小0.8程度になることが分かった。この結果は、1/f型ノイズでは一方向への力がある時間にわたって連続的に生成され、両方向の力がほぼ交互に生成される白色ノイズに比べ準安定状態から逃散し易くなるためと考えられるが、定量的な説明を行うにはより詳しい理論が必要である。2)非平衡状態に関する原理的研究:昨年に続き、多重パイこね変換と呼ばれる数理モデルにおいて、拡散過程と密度分布関数の発展演算子の関係、Fick則に従う非平衡定常状態の研究を行った。そして、1)可逆な力学と非可逆変化に伴う非平衡状態を両立させるためにフラクタルな分布が重要な役割を果たしていること、2)このような状態を取り扱うにはより進んだ数学的枠組みが必要であることを見い出した。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)