Project/Area Number |
07210233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
細野 忍 富山大学, 理学部, 助教授 (60212198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅谷 孝 富山大学, 理学部, 教授 (70018985)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1995: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | カラビ・ヤウ多様体 / ミラー対称性 / 多変数微分方程式 / 共形場の理論 / トーリック多様体 / グレブナ基底 |
Research Abstract |
10次元超弦理論のコンパクト化において自然に登場する複素3次元カラビ・ヤウ多様体は、不思議な対称性、ミラー対称性を持って現れることが知られている。この対称性からの一つの帰結として予言されるものが、量子コホモロジー環である。それは古典的なホッジのコホモロジー環のある種のq-変形である。本研究では、量子コホモロジー環の具体的な検証と、一般的な構造の解明を行った。特に、トーリック多様体をgmbient空間とするカラビ・ヤウ超曲面の場合に、量子コホモロジー環の鍵となる"大体積極限"の存在定理を示すことができた。 量子コホモロジー環は、カラビ・ヤウ多様体の変形の空間、モジュライ空間の局所的な性質に由来することが知られている。モジュライ空間の一般的な領域では対応するカラビ・ヤウ多様体はなめらかな多様体であるが、特別な点に対しては、退化した曲面になる。"大体積極限"はそうした一つの退化したカラビ・ヤウ超曲面である。この様な極限点は、モジュライ空間のコンパクト化の手続きを経て定義されるものである。本研究では、トーリック幾何学に基づいて、カラビ・ヤウ多様体が構成される場合、モジュライ空間の自然なコンパクト化が存在し、そのコンパクト化の下では、常に"大体積極限"が存在することを示した。また、この結果に基づいて、量子コホモロジー環の結合定数に対する一般表式を与えることが出来た。証明は、Gel'fand-Kapranov-Zelevinskiによって近年導入された一般化された超幾何微分方程式系の解析に基づいておりこの側面からも興味深い。
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