Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
昨年1995年は,ゲージ場の量子論において基本的な役割を演ずるBRS対称性が発見されて20周年の年に当たった.これを記念して,その創始者Becchi及びStora両教授はじめ欧米各国から第一線の研究者約10数名を招いた国際シンポジウム“International Symposium on the BRS Symmetry on the Occasion of Its 20th Anniversary"が1995年9月,数理解析研究所において開催され,その組織委員として会議の準備・運営にあたるとともに,参加者との研究交流の促進に力を注いだ. 研究課目の「BRSコホモロジー」は,このBRS対称性に基づいてゲージ理論における物理的状態空間並びに物理的観測可能量を決める理論の基本量である.これを,時空のde Rhamコホモロジーおよび内部対称性のリー環コホモロジーに基づく二重複体のコホモロジーとして捉えなおすことによって,量子論の確立解釈との整合性をモデルの詳細によらない一般論の範囲で明らかにし,その結果をシンポジウムの講演で発表した.上記シンポジウムにおける討論を通じて,2次元Einstein量子重力理論の場合,確立解釈との整合性を破る恐れのある「BRS singlet pair」の存在が阿部光雄・中西 襄両氏により明らかにされたが,この場合の「ghost閉込め」の問題は,従来のコホモロジー的考察を一歩拡張して,任意個のべき零荷電の存在下における補助条件設定の問題に一般化することが可能であり,それによってEinstein量子重力理論では「singlet pair」が存在する場合にも確立解釈を保持できることを明らかにした(阿部・中西・小嶋,Resolution of the BRS-Singlet-Pair Problim in Quantum Einstein Gravity,プレプリント1996年3月).
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