Project/Area Number |
07211207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩森 光 名古屋大学, 理学部, 助手 (80221795)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 溶融 / 沈み込み帯 / 熱力学 / マグマ / メルト分離 |
Research Abstract |
本研究の目的は、地球や惑星内部での動的な溶融過程(すなわち溶融と同時に液相の分離や固相の変形が進行する場)にも適用し得るメルトと固相の平衡関係の記述法・パラメター化の方法を探ることである。このためにまず2相流の質量・運動・エネルギーの保存および高圧融解実験から得られる相平衡の制約(すなわち圧力-温度-溶融度の関係)に基づき、様々な溶融条件(分別-バッチ溶融および無水-含水溶融)に対応する溶融の圧力-温度-溶融度経路を計算する方法を開発した。その結果、一次元等エントロピー過程では(1)無水溶融の場合、あるポテンシャル温度・圧力のもとで生成されるメルト量は、メルトが科学的に隔絶される場合(すなわち分別溶融)、化学的に隔絶されない場合(バッチ型の溶融)に比べて5-15%減少すること、(2)含水溶融の場合、2.5-3.0GPa付近で無水の時とは反対の挙動である減圧固結-増圧溶融が起こる(バッチ溶融の場合)ことが分かった。(2)の振る舞いは沈み込み帯のような水が比較的多量に存在していると考えられる場所では溶融の分布を規制する重要な要因となりうる。このことを定量的に評価するために沈み込み帯での流れ・熱伝導を考慮した溶融を数値計算によって見積った。その結果、従来の予測とは異なり、沈み込むプレートに沿った下降流の中での増圧溶融が大規模に起こりうることが分かった。その深さは90km付近であり火山フロントの位置とも対応する。
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