ポリエチレングリコールによる化学修飾されたフラーレンの細胞への影響
Project/Area Number |
07213218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
筏 義人 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00025909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 泰彦 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助手 (50211371)
岩田 博夫 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (30160120)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | フラーレン / ポリエチレングリコール / 水可溶化 / 化学修飾 / 細胞毒性 / 活性酸素 / 光照射 / 細胞培養 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ポリエチレングリコールにより化学修飾されたフラーレンの細胞に及ぼす影響を調べることである。フラーレンが光照射により活性酸素を効率よく生成し、その産生活性酸素がフラーレンの細胞毒性の原因になっていることが報告されている。しかしながら、フラーレンは水に不溶性であるため、フラーレンと細胞との相互作用は起こりにくいと考えられる。そこで、アミノ基をもつポリエチレングリコール(PEG)にて化学修飾することにより、フラーレンの水可溶化させ、分子レベルでフラーレンを細胞と相互作用できるようにした。PEGのフラーレンへの付加反応はベンゼン中で行い、その反応の進行は可視吸収スペクトルの変化より確認した。PEG修飾率の増加とともにフラーレンの水溶性は増加し、PEG修飾がフラーレンの水可溶化に有効であることがわかった。得られたPEG修飾フラーレンをマウス樹立(L929)細胞とともに、48時間培養した後、細胞生存率をニュートラルレッド法により調べ、フラーレンの細胞毒性を評価した。その結果、PEG修飾することにより、フラーレンの細胞毒性は有意に増加し、毒性と修飾フラーレンの水溶性との間には良好な相関性が認められた。さらに、その毒性の程度は光照射により増強された。フラーレン存在下での、活性酸素スーパーオキシドアニオンの生成をチトクロームC法により定量したところ、光照射によりその生成量の増加していることがわかった。これらの結果から、フラーレンによる毒性発現にはフラーレン自身の水可溶化と光照射による活性酸素の生成が必要であると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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