Project/Area Number |
07213219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
戸部 義人 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (60127264)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | フラーレン / カーボンクラスター / 光化学反応 / 不安定中間体 / 質量分析法 / デヒドロアヌレン |
Research Abstract |
フラーレンの化学における未解決の重要な問題のひとつはその生成機構である。最近、C10〜C30のモノサイクリックカーボンクラスターが二量化、三量化によりバイサイクリック、トリサイクリッククラスターとなり,これらが一挙に分子内環化することによってフラーレンが生成するというモデルが提唱された。本研究ではフラーレン生成機構におけるモノサイクリックカーボンクラスターの役割を解明するため、特定の構造をもつ有機化合物前駆体からモノサイクリックカーボンクラスターを選択的に発生させることによって、その構造を分光学的に検証するとともに、それらの多量化によるフラーレン生成の可能性について検討した。 1.効率よくモノサイクリックカーボンクラスターを与える前駆体として[4.3.2]プロペラトリエンが縮環したデヒドロアニュレン型分子を設計し、C12、C16、C18、C20、およびC24の前駆体となる化合物を合成した。 2.上記の前駆体のレーザー脱着マススペクトルを測定したところ、インダンカチオンの脱離が起こり、各々対応するモノサイクリックカーボンクラスターの陰イオン種が発生することを見いだした。また少量ながら、モノサイクリックカーボンクラスターが二量化あるいは三量化した化学種が生成することも見いだした。これらの構造とフラーレン生成機構との関連については現在検討中である。 3.C18の前駆体については溶液中の光分解を行い、生成する不安定中間体を捕捉することにより,光分解条件下でもインダンの脱離が起こることを明らかにした。アルゴンあるいは水素マトリックス中での光分解よって発生するC18の分光学的同定および構造研究について検討している。
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