Project/Area Number |
07213227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
小林 速男 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (60057635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 広思 東邦大学, 理学部, 助教授 (10126188)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | フラーレン / C_<60> / アニオンラジカル / 単結晶 / 電気伝導度 / ESR / 金属錯体カチオン / フラ-ライド |
Research Abstract |
本年度はフラーレンアニオンラジカル分子と嵩高いカチオン性金属錯体との組み合わせにより新たな分子性伝導体系の構築をもくろんだ。O_h型の金属錯体ではファンデアワールス結合を上回る最密充填構造を有する安定な結晶構造を想定し、カチオン性金属錯体として[Ru(NH_3)_6]^<3+>や[Co(NH_3)_6]^<3+>などの対称性の高い分子を対カチオンとして、これらとフラーレン分子とのイオン結合的な新和性を駆動力とした安定な結晶構造の構築をめざした。拡散法によるヘキサアンミン錯体とC_<60>との反応によって黒色単結晶性物質が得られたが、伝導性は見いだされずESRの信号も観測されなかったことから電荷移動をともなわない付加体であることが判明した。また、申請者らの開発したアルカリ金属・アルカリ土類金属の有機ホウ酸塩をドープ金属源とする液相均一系での金属フラ-ライド単結晶育成法において電解結晶成長法や拡散結晶成長法により比較的良質の単結晶が得られており、NaBPh_4を出発物質とするナトリウム系については、電気伝導性を有する良質の単結晶Na_XC_<60>(THF)_yが得られている。この系においては溶媒として使用したTHFが配位的にナトリウムに結合して嵩高いカチオンとなってC_<60>アニオンラジカルを安定化するものと予測される。本年度はさらに、よりイオン半径の小さいリチウムをアルカリ金属源としたリチウム系結晶Li_xC_<60>(THF)_yの高い電気伝導性を期待して単結晶育成を行った。その結果、Na系と同様な伝導性結晶が得られた。室温での伝導度はおよそ30Scm^<-1>であり、150K近傍まではほとんど伝導度の温度依存性がないものの、この温度付近で激しく絶縁化することが見いだされた。その他、白金やパラジウムのベンゾニトリル錯体との反応およびルシゲニンやクリスタルバイオレットなどの嵩高い有機カチオンとの反応、さらに嵩高いカルコゲン分子を骨格に含む有機ドナー分子との反応を試みた。
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