Pd(O)触媒によるアリルアンモニウム塩の酸化的付加および不斉移転の研究
Project/Area Number |
07214210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 經二 東京工業大学, 工学部, 教授 (80025999)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | パラジウム(O)触媒 / アリル化 / 置換基効果 / 酸化的付加 / 1,3-不斉移転 |
Research Abstract |
カルバミン酸アリルエステルのPd(O)触媒カルボニル化によってβ,γ-不飽和アミドを得るアミノカルボニル化反応がアリルアミン経由でないことは、このカルバミン酸アリルと異種のアリルアミンとのcrossover実験によって証明された。その論理的展開として、アリルアミンを一旦第4級アンモニウム化すればPd(O)錯体が容易に酸化的付加を受ける事実を速度論的に定量化した。すなわち、7種の非対称置換ビスシンナミルジアルキルアンモニウム塩とPd(O)の酸化的付加における置換基効果を測定した。その結果、電子吸引基による加速効果p=0.48(r=0.993)を得た。対照実験としての7種の非対照置換ビスシンナミル炭酸エステルを基質とする酸化的付加では強い電子吸引基(p-, m-NO_2)による著しい偏りを除いて、p=1.2(r=0.983)を得た。この際、ニトロ基による異常な加速効果は、酸化的付加に関して、アンモニウム基より脱離性の劣る炭酸エステル基の開裂に至るまでにPd(O)からこのニトロ置換シンナミル基質への電子移動が先行する為であると説明した。事実、酸化的付加の相対速度と置換シンナミルアルコールの電子の電気陰性度(X: HOMO+LUMOで定義される)をプロットするとニトロ置換基を含めて観測した全ての置換基についてよい相関が得られた[logk/k_H=-12.600X-2.2465(r=0.991)]。さらに、キラルなアリルアンモニウム塩によるアリル化反応では、この反応が著しい溶媒効果を伴うことを明らかにした。(MeCN,DMSO,DMFでは室温3hで終了。THF中では20h)。C^*-N不斉からC-C^*不斉への転移を検討するため、Pd(O)触媒存在下、ヨウ化トリメチル(1-イソブチル-2(Z)-ブテニルアンモニウムとマロン酸メチルアニオンのアリル化反応を行い、高選択的に1,3-不斉移転がnet retentionで進行することを確かめた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)