Project/Area Number |
07214211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀口 良昭 東京工業大学, 理学部, 助教授 (80209296)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | タキソ-ル / 抗癌剤 / 不斉 / 全合成 / 収束型 |
Research Abstract |
天然タキサンジテルペンの一種であり、太平洋イチイより単離されたタキソ-ルは、幅広い抗腫瘍スペクトルを持つため、抗癌剤として極めて有望視されており、現在、世界の各国で認可、実用化されつつある。しかし、天然からの直接的な供給が充分でないため、化学的手法による合成法の開発が強く望まれている。本研究では、タキソ-ルの不斉全合成を目的として検討を行った。 既に、昨年度の当該科研費研究でタキソ-ルのA環とC環に相当するフラグメントの不斉合成に成功しており、まず、それらのカップリング反応を行った。A環部ヒドロキシアルデヒドとC環部ビニルリチウム試薬はいづれも極めて嵩高いにもかかわらずカップリング体を得ることができた。しかも、その際に二つのジアステレオマ-が生成し得るが、反応がキレーション制御で進行するために天然型のみが生成した。次いで、鍵段階となるB環部8員環の閉環反応を検討したが、残念ながら望みの環化体を得ることができなかった。NMR解析から環化前駆体の立体配座が環化に不利な形を取っていることが明らかとなった。既に、モデル化合物を用いた検討から、環化反応の際に分子内の二つの酸素官能基をルイス酸にキレートさせることによって、この問題が解決可能であることが示唆されている。そこで、現在、実際の環化の系についてこの手法が、適用可能であるか検討中である。 この8員環環化反応を実現できれば、極めてconvergencyの高いタキソ-ルの合成法が確立されるばかりでなく、種々の構造を持つ類縁体を光学活性体として次々と合成することが可能な画期的な手法に成ると期待される。
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