Project/Area Number |
07214227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
阿知波 一雄 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (10012626)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ビスホスフィン配位子 / 隣接基 / Diels-Alder反応 / 遷移金属錯体 / 不斉触媒 / パラジウム / 不斉アリル化反応 / 複素環化合物 |
Research Abstract |
ノルボルナン骨格を有するビスホスフィン配位子で骨格にヘテロ原子をもつ官能基をsynに導入した光学的に純粋な各種の隣接基をもつ配位子,BHMP-7X(金属と7員環キレーションをとる)とNorphos-7XおよびNorphos-6,7-X(金属とリジドな5員環キレーションをとる)の合成は、1)マフル酸Lーメンチルエステルとシクロペンタジエン誘導体の高ジアステレオ選択的なDiels-Alder反応と立体特異的骨格転位反応を鍵段階として組み合わせる方法と2)ビニル-1,2-ビスホスフィンオキサイドとシクロペンタジエン誘導体とのDiels-Alder反応と立体特異的骨格転位および光学活性カラムを用いるHPLC法によって効率的に達成することができた。このようにこれら配位子は7位のsynのOH基に各種の炭素鎖をもつヘテロ官能基を任意に導入することができ、目的とする反応や基質に最も適した隣接基をもつ配位子を容易に合成できるというすぐれた特長をもっている。さらにジフェニルホスフィノのフェニル置換基に立体的、電子的な優れた効果を期待してMOD(p-MeO-m,m'-Me_2C_6H_2)基をもつ配位子の合成も達成した。これらを配位子とし遷移金属としてPdを触媒として用いる不斉アリル化反応において、燐接基としてカルボキシル基をもつ配位子がエナンチオ選択性を非常に高める効果があり、その結果、光学活性な複素環化合物2-ビニルモルフォリン、2-ビニルピペラジンおよび2-ビニルベンドキサジンを効率良く最高90%eeの不斉収率で合成する方法を開発することができた。一方Rh錯体を触媒とする各種基質の不斉水素化においては、あまり劇的な選択性の向上は見られなかったが、ジフェニルホスフィノ基のP/Mキラリティと生成物の立体との関係から、反応のメカニズムに関する有益なデータが得られた。
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