酸化還元メディエータおよび電子伝達プロモータの電極表面過程の分光電気化学的研究
Project/Area Number |
07215227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
仁木 克己 横浜国立大学, 工学部, 教授 (00017899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今林 慎一郎 横浜国立大学, 工学部, 助手 (50251757)
垣内 隆 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (20135552)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | チオール自己組織膜 / 金(111)面 / チトクロムc / チトクロムb_5 / 電子移動反応速度定数 / 紫外・可視反射分光法 |
Research Abstract |
原紙レベルで平滑な金(111)面上に形成した種々のチオール自己組織膜上に吸着した電子伝達タンパク質チトクロムの電子移動反応速度を紫外・可視反射分光法によって測定し、下記成果を得た。 1.鎖長の異なる末端カルボキシル(COOH)アルカンチオール自己組織膜を介したチトクロムcの電子移動反応速度定数の対数と電子移動距離の相関を検討した。その結果、炭素数9以上のチオール膜では直線関係が成立したが、それ以下のチオール膜系では直線から下方へのずれが観測された。同様の関係がアルカンチオール末端に固定化したフェロセンについても報告されていることから、膜厚の小さなチオール膜では膜の構造や物性、および膜上へのチトクロムcの吸着状態が、膜厚の大きな膜の場合とは異なることを示唆しており、この理由を現在、検討中である。 2.末端COOHアルカンチオール自己組織膜に吸着したチトクロムcの電子移動反応速度は、pH6〜9の範囲でpHが大きくなるほど減少した。チオール膜のキャパシタンスのpH依存性から得た膜表面でのCOOH基の酸解離定数はおよそ8.5であり、このことから末端COOH基が解離して膜表面の電荷密度が高くなるほどチトクロムcの電子移動がブロックされることが分かった。 膜表面にCOOH基を持つメルカプトベンゼン誘導体自己組織膜上にも、チトクロムcが安定に吸着し、電子移動反応を行うことがわかった。測定した速度定数は、同じ膜厚の末端COOHアルカンチオール自己組織膜上よりも大きい傾向が得られ、今後、π電子系の効果等を検討する。 4.末端アミノ(NH_2)アルカンチオール自己組織膜(炭素数2)上へチトクロムb_5が吸着し、電子授受を行うことを確認した。但し、吸着量は飽和吸着量の20%程度と少量であった。また、電子移動反応速度定数は厚さの同じリオール膜上におけるチトクロムcとほぼ同じであった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)