Project/Area Number |
07215241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小松 紘一 京都大学, 化学研究所, 教授 (70026243)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ビシクロオクテン / 大環状炭化水素 / デヒドロアヌレン / 一電子移動 / Diels-Alder反応 / π共役素 / ベンザイン / サイクソックボルタメトリー |
Research Abstract |
当初の実施計画にしたがって研究を行ない、以下に記す結果を得た。 1.ビシクロσ骨格の縮環したπ電子系環状炭化水素の合成と物性検討 (1)2,3-ジエチニルビシクロ[2.2.2]オクテンを用いる酸化的カップリング反応および2-ブロモ-3-エチニル誘導体とCuI/Pd(0)を用いるカップリング反応により、ビシクロ[2.2.2]オクテン(以下BCOと略記)が縮環した一連のデヒドロ[12]-,[18]-,[24]-および-[30]-アヌレンを黄色から赤色の結晶として合成・単離した。cyclic voltammetry法により検討した結果、これらはいずれも可逆的な1ないし2電子酸化還元系であることが明らかとなった。また、ESRにより1電子還元を受けてアニオンラジカルが生じることを確認した。 (2)次に、当初のBCO縮環したシクロオクタトリエンインの合成計画を変更し、BCOの縮環したベンザインを経由する新しい電子維持鵜活性なπ電子系の合成を試みた。すなわち、BCO二量体とアセチレンジカルボン酸ジメチルとのDiels-Alder反応を行ない、付加環化生成物をフタール酸誘導体とした後、シュミット反応によりアントラニル酸誘導体に導き、常法に従ってベンザインを発生させた。これにより2個のBCOの縮環したベンゼンなど、いくつかのBCO縮環した新規π電子系化合物が合成された。 2.カルコゲン元素をもつ新しい電子移動活性種の合成 2,3-ジブロモ-1,4-ジチアシクロヘキセン(以下DTCHと略記)に対し、THF中活性Ni(0)を作用させることにより、環化三量体であるDTCH縮環したベンゼンが7%単離され、さらにDTCHユニットが連結したポリマーと考えられる黒色粉末が得られた。現在その物性について検討中である。
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