ポルフィリンの可視光誘起電子移動による反応活性種の生成と反応
Project/Area Number |
07215251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
瀬恒 潤一郎 神戸大学, 理学部, 助教授 (10117997)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ポルフィリン / 光誘起電子移動 / アルドール反応 / 有機ケイ素化合物 |
Research Abstract |
ポルフィリンのπ電子系はレドックス活性を示すが、その2段階の1電子還元電位はAg/AgC1基準で1.43Vと1.83V(オクタエチルポルフィリン、(OEP)H_2)であり、レドックスカップルとしての電子移動反応への応用は必ずしも容易ではない、ポルフィリンの窒素に架橋基を導入したモノカチオン性のN(21),N(22)・架橋オクタエチルポルフィリン(1)では、大幅な還元電位のシフトが達成される事を既に見出しているが、本年度は(1)を用いた電子移動反応とくにポルフィリンの光励起状態が関与する特徴ある可視光誘起電子移動反応について明らかにした。 アセトニトリル中でのアセトフェノントリメチルシリルエノールエーテル(2)(1電子酸化電位:1.34V)から(1)への電子移動クエンチングの速度定数(kq)は蛍光消光の実験から5.0×10^7sec^<-1>と見積もる事ができた。一方、酸化電位が(2)より0.42V低いメチルトリメチルシリルジメチルケテンアセタール(3)の場合にはほぼ拡散律速で電子移動が起こった。(3)とp-トルアルデヒドとの向山アルドール反応が(1)の光触媒作用によって、効率よく進行する事を見出した。(3)から(1)への光誘起電子移動によって生成するラジカル種のカップリングにより、15-アルキル-15H-フロリンモノカチオンが生成し、これが光照射下でアルデヒドにアルキル基の移動を効率よく行う事が明らかになった。触媒の分解が殆ど認められない事、反応系に2.6-ルチジンなどの塩基を加えても反応は影響されないこと、光のON-OFFに対応して反応が進行、停止を繰り返す事から光誘起電子移動メカニズムに基づく触媒反応が起こっているものと結論した。本研究で開発した光触媒的アルドール反応は室温、空気雰囲気下の非常に穏和な条件で定量的に進行するので有機合成化学的に価値が高い。
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Report
(1 results)
Research Products
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