糖及び糖誘導体電極による生体機能型メディエーター系の創成
Project/Area Number |
07215278
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
大勝 靖一 工学院大学, 工学部, 教授 (20011009)
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Project Period (FY) |
1993 – 1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 糖 / 糖修飾電極 / メディエーター系 / チドクロームP-450モデル / ポリフタロシアニン電極 / スチレン / エポキシ化 / ヨウ化ベンゼン |
Research Abstract |
生体内において、糖類は細胞間での相互認識において重要な役割を担っていることが明らかにされつつある。本研究では、ポリフタロシアニン薄膜上の官能基に種々の糖を導入して糖化ポリフタロシアニン修飾電極を作成を試み、スチレンの不斉電解エポキシ化反応における糖の不斉誘導能について検討した。 電極は、テトラシアノベンゼンと2,4ジアミノニトロベンゼン(モル比10:1)を銅板上に蒸着重合させ、生成した薄膜上のニトロ基を接触還元によりアミノ基とした後,0.15M糖水溶液中、強酸性イオン交換樹脂とともに1日撹拌することにより作成した。電極反応は以下の条件下で行った。WE:糖修飾電極、CE:Pt板、RE:SCE、0.2MLiClO_4/CH_3CN:CH_2Cl_2=4:1。 はじめに、CVによりヨウ化ベンゼン存在下、酸素を電解還元した反応系においてヨードソベンゼンが生成することを確認した。そこで、0.14のヨウ化ベンゼン、0.29Mのスチレンを混在させ、酸素の還元電位である-1.1Vに電位を合わせ、3時間、定電位電解を行った。 ニトロ基を含むPPc修飾電極の場合ではスチレンオキシドの不斉は見られなかったが、単糖類および二糖類修飾電極においてはいずれも不斉が発現した。糖残基の種類によって不斉収率が影響され、特にD-Gal修飾電極のときには46.1%という比較的高い値を示した。またFe(III)TTPClの非存在下においてはそれぞれの単糖類修飾電極でS体が過剰に生成し、興味深いことにFe(III)TTPClを共存させるとR体が過剰に生成した。これは電極表面上の糖残基近傍において、活性点が電極表面側から攻撃するCU-PPCである場合にはS体、溶液側から攻撃するFe(III)TPPClである場合にはR体が過剰に生成するものと思われる。しかし、二糖類修飾電極を用いた場合にはFe(III)TPPClの非存在下においてR体が、存在下においてS体が過剰に生成するという、単糖類修飾電極とは異なる傾向を与えた。これは単糖類修飾電極の鎖状と環状と言う糖残基の違いによるものと思われる。 以上の結果から電極表面上に存在する糖がスチレンに対して影響を及ぼし、不斉発現に関与していることが明らかになった。これは生体内における糖の不斉誘導能を示唆するものである。
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Report
(1 results)
Research Products
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