Project/Area Number |
07215290
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
伊藤 繁 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (40108634)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 光合成 / 電子移動 / 反応中心 / クロロフィル / キノン / 光化学系I |
Research Abstract |
植物光化学系I反応中心での電子移動反応における蛋白質の機能を明らかにし、電子移動の最適化機構を探った。ホウレンソウから光化学系I粒子を単離、凍結乾燥し、ジエチルエーテルで電子受容体であるphylloquinoneと約80%のアンテナクロロフィルを抽出、これにエネルギーレベルの異なる種々の合成キノン、キノン類似分子を再導入しピコ〜ナノ秒レーザ閃光分光装置でクロロフィル(A_o)→キノン(Q)の電子移動速度を測定した。速度定数(k)の、反応の自由エネルギー差(△G)依存性をマ-カスの電子移動理論をもとに解析した。得られたデータへの理論曲線のfittingから、まわりの溶媒(蛋白質)の*再配置エネルギー(λ)は0.12eV、反応分子(A_oとQ)のλは0.18eVと得られた。さらに、蛋白質の誘電率が2.4、A_o-Q間距離が7.8Åと計算された。紅色光合成細菌、Rb.sphaeroidesでの同様の実験結果(GUnner et al.,1989)と比較すると、系I反応中心の方が、蛋白質のλ値が約1/5で、反応分子間距離が約2Å短いと推定された。光化学系1では反応分子間距離を縮め、周辺に誘電率の低いポリペプチド構造を配し、電子移動が最適化されていることが明らかにされた。
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