新規シリル置換π電子系有機ケイ素化合物の合成とジアニオン化
Project/Area Number |
07216208
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関口 章 東北大学, 理学部, 助教授 (90143164)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 有機金属化合物 / 有機ケイ素化合物 / ジアニオン / X線結晶解析 / ジアルカリ金属化合物 / リチウム化合物 |
Research Abstract |
新規シリル置換π電子系有機ケイ素化合物の合成とジアニオン化として以下の研究成果を得た。 1.テトラキス(トリメチルシリル)エチレンと金属リチウムとの反応により、ジアニオンジリチウム体1を合成した。1の結晶構造は、前駆体のテトラキス(トリメチルシリル)エチレンと同様にトリメチルシリル基の立体反発により二重結合部分が33.6°捻れた二重架橋構造をとっていることを明らかにした。しかし、溶液中の構造は、二重結合部分の捻れた構造に起因して、THF等の配位性溶媒中において一方のリチウムカチオンが解離した溶媒和分離イオン対を与えることがわかった。このような構造の変化により1はTHF中では比較的不安定であり、異性化を起こして加水分解後に種々の生成物を与えた。 2.中間的な嵩高さを持つビス(トリメチルシリル)ジシラシクロペンテンジアニオンジリチウム体2を新規に合成した。2は、1とは対照的にTHF中で二重架橋構造と溶媒和分離イオン対の平衡混合物を与えることがわかった。その温度変化の解析から二重架橋構造は分子数増大によるエントロピー支配の化学種であり、溶媒和分離イオン対は解離したリチウムカチオンの溶媒和によるエンタルピー支配の化学種であることを明らかにした。 フェニル基を導入したシリル置換エチレンジアニオンジリチウム体も同様に合成した。また、X線結晶構造解析によってその分子構造を確定した。一方のリチウムはエチレン上に配位し、もう一方のリチウムは陰電荷が非局在化しているフェニル基上へ配位したほぼ直交した構造をとることを明らかにした。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)